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R政権のSDI(スターウォーズ)戦略の威嚇力をバーゲニング・パワーとして、後継のB大統領は「冷戦の崩壊」を直接軍事力の行使という手段をもちいずに勝ち得た。
血を流さずに勝利したことの意味は大きい。 また、アメリカ国内の経済基盤は物的損傷を受けないで、第3次フライサイド・エコノミックス生産力の増強と物価水準の安定を意図とした政策上の考え方世界大戦ともいうべき冷戦に勝利したことの経済的意味も大きい。
この冷戦を終結させたことにより「平和の配当」として財政負担は軽くなり、金利低下のトレンドがもたらされたのである。 この2代の共和党政権による政治の流れの大転換が、今日の「独り勝ち経済」の中身である史上最長の117ヶ月を越える景気拡大の原動力となっていたのである。
国内経済の再生という視点のみならず、対外競争力という視点に目を転じると、この面では「N・ショック」によりアメリカ政府が手に入れた、「為替市場介入主権」の寄与度は計り知れない。 この釦年のあいだ時に応じて、ドル高、ドル安を使い分けて「ドル高のメリット」と「ドル安のメリット」を十二分に享受してきた。
時には、日本政府を恫喝しながら市場に影響力を行使してきた。 こうしたことが可能になったのも「N・ショック」をひとつの契機として、国際通貨体制を「変動相場制」にシステム変換することに成功していたためである。
1997年7月にG連邦準備制度理事会(FRB)議長が、「アメリカ経済の現在の現象は、100年に1度か2度の事態かもしれない」と議会で発言して以来、G議長はニューエコノミー論者とみなされるようになった。 多くのニューエコノミー論者は、IT革命によりアメリカ経済に生産性の向上がもたらされたと主張している。
しかし、アメリカの「独り勝ち経済」をつぶさに観察すると、IT革命だけでこの繁栄がもたらされているのではないことは、すぐに判別できる。 それは「変動相場制」「大幅減税」「規制緩和」という制度的な土台の上に、IT革命という推進力が機能しているからである。
なぜなら、3つの土台の.経済環境を想像してみれば、IT革命そのものが機能しにくいからである。 グランドストラテジーを総合的に分析するというアプローチがほとんどなされていない日本では、「N・ショック」の2年後の1973年に「変動相場制」に移行したことも、「冷戦の崩壊」と同様に、現実の経済を論じる際に「単なる  の変化」という倭小化した認識にとどまり、背後の政治的側面、経済的側面、社会心理学的側面などを総合的に把握して、競争相手国アメリカが情報公開させていないら、3つの土台の1つあるいは2つもしくは3つが制度的に欠落しているこのように理解が進めば、N、R、Bの3人の共和党大統領の「大型の政策転換」がいかに戦略的であったかが納得できる。

他国への影群力という点からは、なかんずく日本にとっては、アメリカが国際通貨体制を他国に相談なしに一方的にシステム変換を行ったことは、もっと大きく受け止められるべき出来事であった。 振りかえってみると、「N・ショック」以降の数十年間に日本はじつに多くの富をアメリカに移転し続けてきた。
為替変動によって富を絞り取られ続けたといっても過言ではない。 また日本ではこうしたアプローチは謀略論に飛躍しがちである。
謀略論ではなく、「政策論の戦略的総合的分析」というタスクフォースの確立が望まれるところである。 国力を測る物差しの一つに外貨準備がある。
日本は先進国随一の外貨準備を誇っている。 3300億ドルを越える外貨準備は勲章モノといえる。
数十億ドルの外貨しかなく、外貨不足に悩んだ昭和 2000年代と比べると隔世の感がある。 外貨準備の増える要因は海外との交易の帳尻による部分がある。
しかしそれだけではない。 為替市場が円高に急進したときに円高阻止の円売りドル買いの市場介入をすると、日銀が購入したドルは外貨準備に加算される。
問題はその外貨準備がどのように運用されているかである。 かつてH本首相はデンバーサミットの帰りにCロンビア大学で、「日本は外貨準備で保有する米国債を売って、金を買いたいと思ったことがある」と発言したことがある。

この発言をうけてニューヨークの株式市場は、192ドルの当時の、史上2位の急落をした。 一部の政治家や財界人はH本首相もやるわいとうなずき、「日本にもバーゲニングバワーがあるのだ」と溜飲を下げたといわれている。
はたしてこのようなバーゲニングパワーは、日本に本当にあるのだろうか。 少なくとも「米国債を売って金を購入するはいうにおよばず、大量の米国債の売却」すら現在までは実行されていない。
むしろ橋本発言以後も日本は円防衛の為替介入を行い外貨準備を継続的に積み上げているのが現実だ。 ちなみに1999年度に日銀は総額630億ドルのドル買い介入を行い、そのうち360億ドルの米国債を購入している。
日銀の米国債購入がアメリカ経済を下支えしていると指摘されるゆえんである。 ではここで少しポリティカルな視点に立ってこの問題を検討してみよう。
Cーター政権末期の1979年にイランのアメリカ大使館人質事件が発生した。 すかさずアメリカはイランの在米資産を封鎖した。
1977年に成立した「インターナショナルエマージェンシーエコノミックパワーズアクト(IEEPA)」という法律に準拠した制裁であった。 この法律の立法趣旨は、外国の在米資産の移動かバーゲニングバワー対外交渉能力.外国と交渉して国益を守ることができる能力らアメリカの金融市場を守ることとされているので、日本の政府および民間の在米資産もこの法律の対象になっていることは想像にかたくない。
H本首相がこの法律を知っていて先の発言をしたのならジョークですむが、もし知らずに発言したのなら「日米経済戦争の宣戦布告」を無意識で行ったことになる。 金が「通貨としての地位」をはずされ「商品としての地位」におとしめられていた「N・ショック」以後の2000年間に、日本経済は大きなドラマを演じていた。
「日米逆転」と「日米再逆転」というドラマであった。 このドラマは「バブルの形成」と「バブルの崩壊」と演題を変えて挙行された。
このドラマの背景である国際通貨体制は「変動相場制」であった。 「変動相場制」が背景として競り上がってきたのは、「金本位制」が「N・ショック」で幕引きされたためだった。
金はいまだに、魔法をかけられたまま眠り続けている。 2001年は21世紀最初の年であり、また「N・ショック」の 周年にあたる。
ここで「N・ショック」がアメリカの対外政策としてなぜ選択されたのかを改めて確認しておくことも無意味ではあるまい。 結論的にいえば、「N・ショック」は「ドルとアメリカ覇権の崩壊の始まり」ではなく、事前に十分にシミュレーションし検討された「戦略的緊急避難」であり、アメリカが再び第2次世界大戦直後のような強固な経済力を確保するための時間稼ぎと、新たな対外的武器を創出することであった。

ここが通説とは異なる視点である。 このような見解を裏付ける理論的根拠は2つある。
1つは、「Wィリァムズ・レポート」の存在である。

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